at Media Arts Summer Festival 2012, Sapporo, 2012

「光漏れとまり」

写真を撮る。その瞬間までフィルムを光には当てません。 フィルムは常に暗闇の中に保管されて、シャッターを切られる瞬間を待ちます。フィルムは不要な光にさらされると真っ白くなり、思った写真にならないのです。だから完全な暗闇に保管します。 フィルムバックという、フィルムを暗闇に一時的に保管しておくカメラ機材があります。写真を入れておいて撮影する際にカメラ本体に取り付けて写真を撮ります。 フィルムバックの中に光が入るのは許されません。 何十年も使われ中古として渡り歩いたフィルムバックは、くたびれて光漏れをするようになります。それを使った写真には予期せぬ光が写りこみます。 古いのです。 光漏れが好きで使うときもありますが、基本的にその光漏れの加減もコントロールできません。勘や運や経験など不確定な要素にふりまわされるのです。しかもいらない時は本当に迷惑なものです。 展示しているフィルムバックには、現在フィルムが装填されています。 7月13日に撮影したものです。まだ現像していないフィルムですが、福島、東京から3.11以降に北海道に引っ越してきた方々と泊の原子力発電所が一緒に写しこまれています。フィルムの剥き出しになっている部分は光が当たりすぎて真っ白くなっているでしょう。剥き出しになっている付近や、古くて光漏れを起こしている部分から光が入り込みます。 今この瞬間も撮影済みで未現像の12コマの何枚かにじわじわと不要な光を与え続けています。(2012年7月14.15.16日 Media Arts Summer Festival 2012, Sapporo, 2012 での展示の際の文章)

1
2
3