Work: Food and Architecture Work: Food and Architectureについて 空気感 空気感というぼんやりとした、それこそ空気のように普段は視認できないものを写すとは、いったい何を写しているのか。おおよそ見たこともないし感じるものだろうか、それとも雰囲気だろうか。 ところで料理撮影と建築撮影ではティルトシフトレンズと呼ばれるレンズを主に使用している。アオリの動作とシフト/ティルトの平行移動ができる。建築物の撮影ではシフトを操作し、高さのある建築物も垂直・平行の歪みを抑えて撮影する。料理撮影の場合はアオリ効果と絞り具合を駆使し、複数のお皿にピントを合わせたり、逆に浅いピントにしてボケを強調できる。 などと書くと実務的で面白みがないレンズのように聞こえるが、逆アオリのボケをいかして風景やポートレート撮影にも使用する。効果としては”空気感”と呼ばれるものが表現できる。もちろんただのボケであるのだが、そのボケが強い場合、目視なんてできないものだから、なんだか空気ってこんな見た目だよって風な合意が出来上がったのではないか。そもそも空気と空気感とは別物で、空気感とは雰囲気というボケの強いバックグラウンドであると了解する。リンゴを見たことがなければリンゴの写真をみても認識できないように、空気感を感じたことがあると記憶に応じて写真から空気感を視認するのかなとも思う。 ©ハレバレシャシン 関係者様で写真の削除依頼はお問合せページからご連絡ください。